四国お遍路同じ寺院名が多い また国分寺?さっきもお参りしなかったっけ?

四国お遍路、同じ名前の寺がいくつかるような気がする?
4つある国分寺のお話は有名ですが、大日寺も3つ、観音寺も2つあります.四国お遍路88ケ所の全ての寺院名を覚えたいな~と思うのですが、徳川の歴代の将軍くらいならなんとかなるのですが、歴代の内閣総理大臣を覚えるくらい難しいんですよね.記憶の整理のためにも同じ名前のお寺をまとめました.

四国お遍路同じ寺院名が多い理由

国分寺は4つ

国分寺は全国にあるのですが、共通するのは聖武天皇の勅願ということと、行基が開基したということが通説になっています.行基は日本で初めて『大僧正』(だいそうじょう)という、お坊さんの中で最高位の位を贈られたというお話も有名です.

・阿波 国分寺 徳島県 国分寺(15番)
・讃岐 国分寺 高知県 国分寺(29番)
・伊予 国分寺 愛媛県 国分寺(59番)
・土佐 国分寺 高知県 國分寺(80番)

四国お遍路さんでは、各県に1づつ『国分寺』があります.昔は寺格というお寺さんの格付けが明確にあり、天皇の勅命うことで、格式の高いお寺さんということなんだったと思います.それにしても、調べれば調べるほど言い伝えや伝説がでてきて楽しいですね.県とか市レベルとまではいかないにしても、ご近所さんの範囲で『行基さんのように徳がある人だね』と言われるようになりたいものです.

3つある大日時

国分寺のように各県に1つづつというわけでないですが、阿波の国 徳島県に2つ、土佐の国 高知県に1つと、四国お遍路の前半にかたよって存在しているのが大日寺です.

4番(大日寺)
13番(大日寺)
28番(大日寺)

御本尊様が大日如来像だから大日寺なのか?そう思う方も多いと思います.しかし、実は13番(大日寺)は、十一面観音像菩薩を本尊としています.元は大日如来がご本尊様だったようですが、明治の神仏分離令のタイミングで脇仏となってしまいました.

2つある観音寺

実は漢字は同じでも『かんおんじ』『かんのんじ』と読み方が違います.

16番(観音寺)かんおんじ
69番(観音寺)かんのんじ

16番(観音寺)かのんじは千手観世音菩薩、69番(観音寺)かんのんじは聖観音世音菩薩がご本尊様です.ご本尊から推測し、元々が観音寺という名前だったと思いきや、特に69番(観音寺)ができた経緯は複雑です.1山2札所の納経所という、神仏分離令のいたずらが生んだ寺院名と言えるのかもしれません.

過去に寺名が同じだった

過去、53番と54番は同じ『圓明寺』という寺院名だったようです.連番ですが、決して近所というわけではありません.53番から54番までは38kmも離れていますので、車でも1時間ほどかかります.

53番(圓明寺)えんみょうじ
54番(延命寺)えんめいじ

ただ、四国お遍路の連番になったため、仕方なく後ろの番号の54番さんが明治時代に『延命寺』に改名したというのが真相のようです.