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みさきのはじめてのお遍路さん

はじめてのお遍路さんに必要な知識を、お遍路キャラ『みさき』がやさしくまとめました.準備するもの、お参りの作法、費用、宿や食事まで、この1ページで全体像がつかめます.
はじめてのお遍路さんのススメ

この記事で分かること
・お遍路とは何か、日数・距離・回り方の基本
・最初にそろえる持ち物(一軍・二軍・三軍の順番つき)
・お参りの作法6ステップと、納経所の受付時間(8時〜17時)
・車お遍路の費用の目安と、納経料(1か寺500円)
・やってはいけない禁止事項、食事と宿の選び方
【まず結論】はじめての方はこれだけ覚えればOK
① 最初に用意するのは納経帳と小銭だけでも大丈夫
② 納経所は朝8時〜夕方5時(2024年4月から)
③ 納経料は1か寺500円(88か寺で約44,000円)
④ 車お遍路なら約8〜12日、区切り打ちで少しずつでもOK
⑤ 服装は普段着でもOK.歩きやすい靴だけは大切に

お遍路さんとは

「お遍路」とは、弘法大師(空海)ゆかりの徳島・高知・愛媛・香川の四県にまたがる88か寺「四国八十八ヶ所霊場」を巡る巡礼のことです.徳島の1番札所・霊山寺(りょうぜんじ)からスタートし、香川の88番札所・大窪寺(おおくぼじ)で結願(けちがん)するのが伝統的な順路とされています.

各県には修行の段階を表す呼び名があり、徳島は「発心(ほっしん)の道場」、高知は「修行の道場」、愛媛は「菩提(ぼだい)の道場」、香川は「涅槃(ねはん)の道場」と呼ばれています.

お遍路の基本データ
札所数88か寺
県ごとの札所徳島 1〜23番/高知 24〜39番/愛媛 40〜65番/香川 66〜88番
総距離歩き遍路で約1,100〜1,400km(ルートの取り方で変わります)
日数の目安歩き遍路:約40〜60日
車お遍路:約8〜12日
納経所の受付8:00〜17:00(2024年4月〜)
納経料納経帳500円/白衣300円/掛軸700円
回り方は4種類
・順打ち(じゅんうち):1番から順番に回る.いちばん一般的
・逆打ち(ぎゃくうち):88番から逆に回る.道案内が少なく難易度はやや高め
・区切り打ち:何回かに分けて回る.週末や連休を使うお遍路さんに人気
・通し打ち:1回の旅で88か寺すべてを回る

移動手段は徒歩・車・バス・自転車・バイクなど自由です.お遍路には「同行二人(どうぎょうににん)」という言葉があります.一人で巡っていても、常に弘法大師と一緒に歩んでいるという意味で、金剛杖や菅笠にもこの文字が書かれています.

>「同行二人」の詳しい意味を知りたい方はこちら

同行二人(どうぎょうににん)

お遍路さんに必要なもの

お遍路で「これがないとお参りできない」というグッズは、実はありません.あったほうがいい順番に「一軍・二軍・三軍」で紹介します.一軍だけそろえれば、もう出発できます.

>何を揃えればいいか迷ったらお遍路御仕度ガイドも参考にどうぞ

お遍路の出発準備 持ち物

ランク持ち物チェックリスト
一軍
(まずこれ)
□ 納経帳
□ お賽銭用の小銭
□ ローソク・線香
□ ライター
□ 数珠
二軍
(あると安心)
□ 経本
□ 納札
□ さんや袋
□ 輪袈裟
三軍
(気分が高まる)
□ 白衣
□ 菅笠
□ 金剛杖

一軍

・納経帳(のうきょうちょう)

納経帳は、お参りをした(修行をした)証として各札所で墨書きと朱印をいただく帳面です.一番初めに準備することをおすすめします.

ここで注意したいのが『御朱印帳』です.普段使っている御朱印帳があっても、四国お遍路では専用の『納経帳』を準備するのがお作法です.

>『御朱印帳』と『納経帳』との違いを知りたい方はこちら

・お賽銭

金額に決まりはありませんが、1か寺につき本堂・大師堂の2か所でお納めします.88か寺なら176回になるので、10円玉や100円玉などの小銭を多めに用意しておくと安心です.

・ローソク、線香

仏壇やお墓参り用のものが家にあれば、そのまま使っても大丈夫です.本堂・大師堂それぞれに、ローソクは1本、お線香は3本お供えするのが基本です.

・ライター、マッチ

ローソクやお線香に火をつける際に使います.札所によっては風が強い場所もあるので、風に強いライターが便利です.なお、境内での喫煙はNGです(後述の禁止事項を参照).

>新調されるなら『ターボライター』がおすすめです

・数珠

仏式のお葬式に参列する際に使っている数珠で大丈夫です.

>数珠の種類について知りたい方はこちら

二軍

・経本(きょうほん)

般若心経などをお唱えする際、暗記していなくても安心な一冊です.文字の大きい経本を選ぶと、境内でも読みやすくなります.

>般若心経を自分で印刷したい方はこちら

・納札(おさめふだ)

各札所の本堂・大師堂に納めるほか、道中でお接待を受けた際にお礼として渡す名札です.名前・住所(市町村まででOK)・日付などを記入して使います.回った回数によって色が変わり、1〜4回目は白い納札を使います.

>納札の準備や書き方を知りたい方はこちら

・さんや袋(山谷袋)

納経帳や納札、数珠などをまとめて持ち歩くための専用バッグです.肩から掛けられるので、本堂・大師堂・納経所を行き来する際も両手が空いて便利です.

・輪袈裟(わげさ)

首から掛ける簡易的な袈裟で、参拝時の正式な装束の一つです.

三軍

・白衣(びゃくい)

お遍路さんの正装で、参拝時に羽織ります.車の運転手から見て目立ちやすくなるので、歩き遍路・車お遍路どちらでも安全対策として役立ちます.

>『白衣』と『笈摺(おいずる)』の違いを知りたい方はこちら

・菅笠(すげがさ)

雨よけ・日よけとして実用的な、お遍路さんの象徴的な装いです.こちらにも「同行二人」の文字が書かれています.夏場の熱中症対策にも役立ちます.

>菅笠の選び方を知りたい方はこちら

・金剛杖(こんごうづえ)

弘法大師の化身とされる杖で、「同行二人」を象徴するお遍路グッズの代表格です.山道や石段の多い札所では、足腰の負担を軽くしてくれる頼もしい相棒にもなります.

独自の作法もあります.
・上部は卒塔婆(そとば)を表すとされるため握らない
・橋の上では杖を突かない(橋の下で弘法大師が休んでいるかもしれないため)
・宿に着いたら杖の先を洗い、床の間など上座に置く

>金剛杖の選び方を知りたい方はこちら

お参りのお作法

お参りの基本の流れは、次の6ステップです.

順番やること
①山門で合掌・一礼
②手水場(ちょうずば)で手と口を清める
③鐘を静かに1回撞く(撞けない札所もあります)
④本堂でローソク・線香・お賽銭・納札・読経
⑤大師堂でも同じようにお参り
⑥納経所で納経(墨書き・朱印)をいただく
本堂・大師堂でのお参りの順番(簡易版)
・ローソクを1本立てる(奥から)
・お線香を3本立てる(奥から)
・お賽銭を静かに入れる
・納札を納める
・合掌して般若心経を1回、御本尊真言を3回お唱えする
(大師堂では御本尊真言の代わりに、御宝号「南無大師遍照金剛」をお唱えします)
※鐘は参拝前のみ.お参りを終えてから撞く「戻り鐘」は縁起が悪いとされているので避けましょう.

納経所の受付時間は、2024年4月から午前8時〜午後5時に変わりました(以前は午前7時から).朝一番に回る予定の方や、夕方ぎりぎりになりそうな方は注意しましょう.

お経を覚えていなくても、合掌一礼だけで失礼にはあたりません.無理せず、自分のペースでお参りしましょう.

>お参りの作法をさらに詳しく知りたい方はこちら

お遍路の費用

費用は移動手段や宿泊スタイルによって大きく変わります.当サイトの試算では、車お遍路8日間の場合で次のとおりです.

プラン総額の目安(車お遍路8日間)
超節約プラン約124,000円
一般的な節約プラン約157,000円
プチ贅沢プラン約238,000円
主な費用の内訳(車お遍路8日間の目安)
・納経料:88か寺で約44,000円(2024年4月から1か寺500円)
・宿泊費(7泊):約20,000円(車中泊メイン)〜70,000円(旅館利用)
・食費:1日あたり3,000〜7,000円程度
・ガソリン代・高速代・駐車協力金:合計20,000円前後

歩き遍路の場合は日数が40〜60日と長くなるので、宿泊費と食費が積み重なり、総額は数十万円になるのが一般的です.どちらの場合も、納経料と宿泊費が費用の大部分を占めます.

一度に88か寺を回るのが大変な方は、区切り打ちで1県ずつ回ると、1回あたりの費用も体の負担も小さくなります.

>お遍路の費用をさらに詳しく知りたい方はこちら
>できるだけ費用を抑えたい方はお遍路節約コースのまとめもどうぞ
>日程の組み方はお遍路車モデルコースが参考になります

禁止事項

お遍路には、古くからの言い伝えと参拝マナーの両方で「やってはいけないこと」があります.代表的なものを紹介します.

・橋の上では金剛杖を突かない(弘法大師が橋の下で休んでいるかもしれないため)
・金剛杖の上部(卒塔婆部分)は握らない
・参拝後に鐘を撞く「戻り鐘」はしない
・トイレに金剛杖・菅笠・さんや袋・数珠・輪袈裟を持ち込まない
・山門の敷居は踏まない(俗世と仏様の境目とされる)
・お参りせずに納経だけいただくのはNG
・境内は左側通行、読経は正面を避けて端で
・お賽銭は投げ込まず、静かに入れる
・境内での喫煙は火災の危険があるため厳禁
・駐車場の協力金は必ず納める

このほかにも服装や納札の書き方など、細かい決まりがあります.

>禁止事項の全リストを知りたい方はこちら

食事とお接待

車お遍路の場合、コンビニや道の駅、地元の食堂を活用するのが基本です.節約したい日はおにぎりやパンで済ませつつ、宿泊地では鰹のたたきや讃岐うどん、鳴門鯛など、各県のご当地グルメを楽しむお遍路さんが多いです.宿坊に泊まると精進料理が出ることもあります.

道中で地元の方から食べ物や飲み物をいただく「お接待」の文化も、四国遍路ならではです.お接待には「お遍路さんを通じて功徳を積ませてもらう」という意味合いがあるとされているので、基本的にはありがたく受け取り、「ありがとうございます」とお礼を伝えましょう.どうしても受け取れない事情がある場合は、「お気持ちだけで」と丁寧に断っても失礼にはあたりません.お礼として納札を渡すと喜ばれます.

>道中で立ち寄ったお店の実食レポートはお遍路のグルメにまとめています

四万十屋のうなぎ お遍路のグルメ

宿泊

宿泊スタイルは、大きく分けて宿坊・ビジネスホテル・温泉旅館・車中泊の4タイプがあります.

宿のタイプ特徴こんな方におすすめ
宿坊札所に泊まれるので朝のお参りがスムーズ.朝のお勤めに参加できるところもお遍路らしさを味わいたい方
ビジネスホテル朝食無料や天然温泉付きの施設も多く、コスパ良好.街中に多い費用と快適さを両立したい方
温泉旅館夕食・朝食つきのフルサービス.疲れをしっかり取れるご褒美の1泊を挟みたい方、体力に不安がある方
車中泊もっとも費用を抑えられる.道の駅などを利用(車中泊のルールは施設ごとに確認を)節約重視の方

宿坊や人気の宿は、春・秋のお遍路シーズンや団体ツアーの日に早く埋まることがあります.日程が決まったら早めに予約しておくと安心です.

このほか、歩き遍路さん向けには「通夜堂」「善根宿(ぜんこんやど)」といった、無料または善意で泊めてもらえる施設が一部の札所や地域にあります.地域の方のご厚意で成り立っている場所なので、感謝の気持ちを忘れずに、マナーを守って利用しましょう.

>車お遍路さんの宿泊先をさらに詳しく知りたい方はこちら

よくある質問(FAQ)

  • Q. お遍路は何日くらいかかりますか? → 歩き遍路なら約40〜60日、車お遍路なら約8〜12日が目安です.週末や連休ごとに少しずつ回る「区切り打ち」のお遍路さんも多くいます.
  • Q. 納経料はいくらですか? → 2024年4月から、納経帳は1か寺500円です.88か寺すべてで約44,000円が目安です.白衣への朱印は300円、掛軸は700円です.
  • Q. 納経所は何時から何時まで開いていますか? → 2024年4月から、受付は午前8時〜午後5時です.以前より朝が1時間遅くなったので、古いガイドブックの情報には注意しましょう.
  • Q. 正式な服装でないと参拝できませんか? → そんなことはありません.白衣・輪袈裟・金剛杖・菅笠は正式な装束ですが、普段着でお参りする方も大勢います.まずは納経帳だけ準備して、少しずつそろえていくのがおすすめです.
  • Q. 普段使っている御朱印帳で納経してもらえますか? → 四国お遍路では、専用の『納経帳』を用意するのがお作法です.
  • Q. 1番札所から順番に回らないといけませんか? → 決まりはありません.順打ち・逆打ち・区切り打ちなど、ご自分の都合に合わせて回って大丈夫です.
  • Q. 体力に自信がなくても大丈夫ですか? → 車お遍路なら、ほとんどの札所は駐車場から歩いてお参りできます.ただし石段や山道のある札所もあるので、歩きやすい靴と、休み休み回れる余裕のある日程をおすすめします.
  • Q. 何でお遍路をするんですか? → 理由は人それぞれですが、「お参りしたくなったから」というシンプルな理由の方が実は多いようです.

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